2011年11月22日

木星の衛星に生命存在の可能性

 
木星の衛星に生命存在の可能性

 

 宇宙に関する新しいニュースがまた飛び込んできた。米航空宇宙局(NASA)は11月17日、木星の衛星である「エウロパ」の表面を覆う氷の下に巨大な湖がある可能性を示す新たな証拠が見つかったと発表した。

 発表に先立ち、米テキスト大学の研究チームは木星の探査機ガリレオが撮影した衛星の画像を分析。その結果、エウロパの海の上部に湖が存在し、揺れ動いている形跡があることが判明した。このため研究者は「厚さ数キロの氷の下部に大量の水があって、氷と盛んに混じり合っており、生命が存在する可能性が高まった」と指摘している。

 ご承知の通り、木星は恒星の太陽から5番目(地球は3番目)の惑星で、太陽系惑星の中では質量ともに最大のもの。地球の衛星は月1個だけだが、木星には65個の衛星があり、エウロパは大きな衛星4個のうちの一つ。木星は古代から知られ、英語名の「Jupiter=ジュピター」は古代ローマ神話の最高神が語源だといわれる。

 今回の発見を科学的に確認する方法はエウロパに直接、探査機を送り込むことだが、今のところ、その計画はないという。

 太陽系外の惑星に宇宙人(異星人)がいないことは先週のコラムで指摘した通り。だが今回は太陽系内の惑星に生命の素材となる有機化合物が存在しているのかが新たに浮上した形だ。結論から言えば、可能性は無きにしも非ず、である。

 ビッグバンによって137億年前に誕生した宇宙。この宇宙では一瞬も休むことなく、星々が生成され、発展と消滅が繰り広げられている。有機化合物の当体である我々人間に寿命があるように、無機物で構成されている惑星にもおのずと寿命があることは明らか。これを身近な言葉で言い当てると、「自然の摂理」となる。別の表現が許されるならば、自然の摂理は、すなわち人力の及ばぬ「宇宙の法則」であろう。

 「宇宙の法則」とは聞きなれない言葉だと思うが、ここでは宇宙を動かしている「大いなる力」と説明しておきたい。宇宙は、我々人間が知覚しようがしまいが、悠久の時の流れの中で「宇宙の法則」に基づき、星や星雲を次々と誕生させている。考えれば考えるほど、宇宙は不可思議な存在である。

 太陽の光と熱で生かされている地球の生き物たち。生命の存続を可能にする水や空気、食物等があれば、多くの生物が生まれ、新たな歴史を作ることになる。人間の一生は百年前後で終わるが、宇宙に点在する星々は億年単位で生成、消滅する。

 地上の生物に多大な恩恵を施している太陽でさえ、天文学的には63億年後には水素が消費し尽くされ、事実上、消滅する。太陽は末期には膨張を開始し、この結果、地球をのみ込んでしまうという説がある。地球の寿命が尽きるのはその前後らしい。まさに「無常」の世界である。

 宇宙は目に見えない「暗黒エネルギー」の力によって現在、膨張し続けている。膨張の果てには収縮があるのかないのか、誰にも分からない。

 科学はどこまで宇宙の実相、生命の実相を解明できるのか、期待は大きい。だが、同時に科学の限界もあるように思われて仕方がない。「宇宙そのものが生命の海」「宇宙は始めもなければ、終わりもない」「無機物、有機物は相互に作用するのが生命の実相」「生命のエネルギーは不滅。条件(環境)が整えば、また、どこかの星で生命は誕生する」など、宇宙や生命の実相に迫った“東洋の英知”は、宇宙科学の進むべき方向を提示しているようである。それは現代に光を放ち、色あせることがない。

 ★関連サイト http://okuyami-ad.jp/newpage13.html





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Posted by shaka at 21:00 │政治